ベンネヴィス・１９９６・フィノシェリーカスク・１７年（モルトマン） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［ハイランド・モルト］　 ￥１６５０ メープルシロップがたっぷり掛かったパンケーキ、マンゴーのアイスクリーム、羅漢果 、バター、塩キャラメルなどが束になって香ってきます。 口の中では繊細で、優しい甘さのオレンジケーキで充満。　 喉元を過ぎた途端、パッションフルーツが炸裂。　 その後、アーモンドバターやナツメグの余韻が訪れ、山椒の刺激が現れます。 １９８９年、ニッカウヰスキーが操業停止状態のこの蒸留所を買い取り、新オーナーとなりました。　 マッサンが亡くなって１０年後の事です。　 現在では伝統的製法とニッカの技術が融合した、レベルの高いモルトウイスキーを産出しています。 今回入荷したのは「フィノシェリーカスク熟成」。　 カスク自体においても大変貴重な存在であり、先端のウイスキーシーンでも注目の存在となっています。

タリスカー・ヤング＆フェイスティ（プロヴェナンス） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［アイランズ・モルト］　　￥１３００ 黄色いたくあんの甘い香りの中から、勢い良くピートとスモークの香りが突進。　 その後、塩コショウの利いたビーフジャーキーが香ってきます。　 口に含むと先ず甘さを感じ、次第に甘塩っぱくなり、最後にドライな味わいに変化。　 圧倒的なスモークの余韻の影からコーヒーが出現。　 長い余韻の後に、薬草の苦味が舌の上にひょっこりと顔を出します。 この蒸留所としてはとても珍しいボトラーズもんです。 突出した高い品質のモルトをリリースする「ダグラスレイン社」の中でも、コストパフォーマンスの高さに特化した「プロヴェナンス・シリーズ」からの逸品です。 スモーキーで男性的でありハードボイルドな「タリスカー」ですが、こちらは「ヤング＆フェイスティ（若くて力強い）」というタイトルが付いているだけあり、「まだ甘えん坊ないたずら小僧」のような印象を受けます。

アムルット・アンピーテッド・バーボンシングルカスク ［インド・モルト］　￥１２００ ココナッツチップ、梅酒、ドライアプリコット、パイナップル、サバラン、リコリス、ブラックペッパー、加工した木材など様々な香りに溢れています。 ヘヴィーな口当たりで、しっかりとした甘さが舌の上に鎮座。　 生八つ橋のニッキとアンの味が頭をよぎり、塩気を口の中に残しながら麦芽と黒糖とミントの余韻が続きます。 ２００４年に生産が開始された「アムルット」は瞬く間に評価が上昇。（創業は１９４８年） 今ではインド産シングルモルト最高峰の域を越え、世界の最高峰に差し掛かる勢いです。 特筆すべき点は熟成速度。　 温暖な気候な為、４年で熟成のピークを迎えるそうです。 そしてなんと、年間で全体量の１１％も天使の分け前として蒸発するそうです。（他国では年２〜４％） 因みにスコットランドのカレー店には当然の如く常備しているそうです。

ハムデン・１９９０・シングルカスク（ダンカンテイラー） 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［ジャマイカ・ラム］　￥１６００ 香りのボリュームはトップギアー。　 パッションフルーツ等のトロピカルフルーツと共に、除光液や有機溶剤そしてエナメル等、おもいっきり身体に悪そうな香りが鼻に刺さります。　 口に含むとレモンクリームやトロピカルフルーツの甘さが一気に拡がり、ヘヴィーな味わい。　 余韻はマスカット、ドライマンゴー、ベンジンが暫く続きます。 アンヘルシーな香りにそそられる凄いラムが登場しました、覚悟してお飲み下さい。 この超個性的なラムを産するのは、ジャマイカにある「ハムデン蒸留所」。 １７５０年にスコットランド人によって創業され、とてもヘビーな味わいのポットスティル・ラムを生産しています。 私の大好きな蒸留所なのですが、日本に入荷する事は滅多になく、特に今回のようにシングルカスクでしかも加水していない樽出原酒としてのリリースはとても貴重です。

スタークス・エイジド・ジン　［ウイスキー樽熟成ジン］ 　　　　　　　　　　￥７５０ 爽やかなジュニパーベリー、グレープフルーツジュース、レモンの皮、シナモン、それらの奥からオーク材の甘い香りが漂います。 口当たりはねっとりとしていてクリーミー。 バニラやキャラメルの甘さがスパイシーさと共に口の中に拡がります。　 余韻はオークの甘さから、スパイシーとビターに変化し最後はクリーミーなります。 これまで数社がウイスキー樽で熟成させたドライジンをリリースしてきましたが、それらの中で最も樽の香りを感じる味わいに仕上がっています。　 それもそのはず、この手のジンとしては長期の３ヶ月もの間、ウイスキーの樽で熟成しています。 作っているのは、新進気鋭ボトラー「クリエイティヴ・ウイスキー社」。　 このオーナーの名前「スターク」をこのジンに名付けるほど、この逸品に絶対の自信があるのでしょう。

クリサワブラン・２０１３（ナカザワヴィンヤード）［岩見沢産・白ワイン］　￥１２５０ 芳醇で華やか香りからはライチ、グレープフルーツ、ミネラル、そしてヘーゼルナッツのオイリーな香ばしさを感じます。　 口に含むと、繊細で穏やかな酸と柑橘系の果実実が満載。　 余韻では名残惜しげに続くグレープフルーツと白い花の香りが、心地良く暫く続きます。　 まとまりがある、とても美しい味わいに心癒されますよ。 「余計な事はしない」 発売すると直に売り切れる、この大人気のワインを造る『中澤一行氏』はこう言います。 「人が手出しするのは最小限に止め、とてつもない自然の力に任せているんです」 岩見沢市栗沢の青々とした緑に被われた丘陵地帯。　 色とりどりの花や草が生い茂り、蝶が舞い蜂が飛び交う草原のその中に、葡萄の実をたわわにつけた垣根が幾列にも並んでいます。　 除草剤を使わず多くの生物と共生させながら、限りなく自然に近い環境で育てる事によって、葡萄が持つ葡萄本来の美味しさを引き出し、しかもその葡萄に付着している野生酵母で発酵。 　 まさに人間の力では成し得ない、自然の力が作り上げたワイン。 希少な為、なかなかの飲めるチャンスはないのですが、私の大好きなワインです。