『グレンスコシア・１４年・カスクストレングス（ＳＭＷＳ）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ［キャンベルタウンモルト］￥１３５０【税込】 燻製や蒸発した海水、微かに硫黄の香りが漂い、その奥からアプリコットが顔をのぞかせます。　 口の中では甘く、塩辛く、そしてコーヒーのようなコクの中に微かな苦味が現れ、薬草やオイルも感じます。 複雑でたっぷりとした味わいに飲みごたえ十分、ストレートで飲むとアルコールの刺激からしばらく抜け出せません。 かつてのウイスキー産業のメッカであった「キャンベルタウン」 しかし、その需要がスペイサイドに移行してからは衰退の一途を辿り、現存する蒸留所はわずか２カ所。 その１つである「グレンスコシア」も閉鎖・再開を繰り返し、現在は１２代目オーナーからスプリングバンクが設備を時折借り受け、職人を派遣して造っています。 ボトラーズ物のグレンスコシアには、ハズレが多かったりするのですが、これは間違いなく“大当たり”個人的に大満足です。

『オールドプルトニー・１９９４・ソーテルヌウッドフィニッシュ』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ［ハイランドモルト］　￥１１００【税込】 クリームブリュレや塩キャラメルが、心地よいピートの香りと共にワクワク感をもたらします。 なめらかな液体は舌触りが良く、クリーミーな甘さと程よい塩気が口に拡がり、余韻が長く、味わいのバランスも良く、とっても楽しめる逸品です。 スコットランド本土で最北に位置する蒸留所「プルトニー」　 かつてニシン漁で栄えた港町・ウィックの湾を見下ろす高台にその蒸留所はあります。　 全盛期には１０００隻を超えるニシン船がその湾内に停泊する程のにぎわいをみせていたそうです。 海岸にある蒸留所特有の海水のような塩辛さ、ソーテルヌ産の貴腐ワイン特有の蜂蜜のような甘さ、この対極するような２つの味わいのハーモニー、想像以上の美味しさです。

『スコティッシュ・スモーキー・モルトスピリッツ（ジャン・ボワイエ）』 　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　　　　　　［未熟成モルト］　　￥９００【税込】 生のピートをかじっているような、圧倒的なピートの香り。　 微かに甘いピートの味から勢い良くスモークが溢れ出し、口と鼻を駆け回り、次第に麦芽の味わいが現れ、スモーキーな余韻がかなり長く引きずります。　 決して一般的な美味しさはないのですが、記憶に残る凄いモルトです。 ご存知のようにウイスキーには３年以上の熟成義務があるので、これはウイスキー未満のウイスキー。　言うなればモルトで造ったスピリッツ、しかもピート満載のアイラ島産の“超個性派モルトスピリッツ”です。 このボトルを瓶詰販売しているのは、フランスの「ジャン・ボワイエ氏」 彼はキリスト教の司祭をする側、会社を経営。　 高級レストランの経営やウイスキーの輸入、アルコールの生産もしているそうです。　 そして売上の一部は、自らが立ち上げた生活共同体の運営資金に使われています。

『ドン・ホセ・１０年・ポートカスク（Ｍ・マクダビッド）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ［パナマ・ラム］　　￥９５０【税込】 繊細な香りからは、バニラ、蜂蜜、カプチーノ、マンゴプリンが飛び出します。 口に拡がる甘さはとても上品、出しゃばりがなく綺麗にまとまり、微かに塩気も感じさせ飽きがこない味わいです。　 コーヒーを飲んだ後のような余韻が楽しめ、満足感あり。　　 なかなかお目にかかれない、パナマ共和国「ドン・ホセ蒸留所」のラム。 それをスコッチのボトラ−「マーレイ・マクダビッド社」が買い取り、自ら所有するアイラ島にあるブルイックラディ蒸留所の熟成庫で、ポートワインの樽に詰め替えて熟成、アイラ島の水で加水して商品化しちゃいました。 アイラとポート、そしてラムの共演。 ラム好きのみ成らず、モルトファンにとっても気になる逸品ですよね。 因にこのラムのシリーズ名は「ＲＥＮＥＧＡＤＥ＝裏切り者」 カルメンに裏切られた「ドン・ホセ」と関連があるのかと思いきや、無関係だそうです。 そりゃそうだ！

『ポリ・アマーロ』　［イタリア・苦味酒］　　　　　　　　　　　　　￥６５０【税込】 チェリーコーク、ベルモットのロッソ、薬草系の身体に良さ気な香り。 口に含むと、優しい甘さの中から次第に心地よい苦味が現れ、口の中をさっぱりとしてくれます。　 ブラックコーヒーを飲んだ後のニガニガ感が、心地よさをもたらします。 氷を入れてロックで飲むと、食欲が増すこと間違い無し。　最高の食前酒としていかが？ アマーロとはリンドウの根を主体とする、イタリア産の苦いハーブリキュールの総称。 食欲不振、消化不良に効果があるそうで、元々は薬として飲まれていたとか。 妙薬ならず、妙酒も口に苦し、と言ったところでしょうか。 グラッパの老舗メーカー「ポリ社」がつくるアマーロは、グラッパをベースにオレンジの皮、アンジェリカの根、ニガヨモギ、コリアンダー、レモンバーム、シナモン等が漬け込まれています。　 甘さと苦味が綺麗に調和したリキュール、真っ赤な色で有名な某苦味酒「カ○○リ」を上品にした味わいと言えば分かりやすいですね。