『コールバーン・１９８３（シグナトリー）』［スペイサイドモルト］￥１２００【税込】 フルーツの香り、徐々にオレンジ風味の懐かしのチェルシーが現れます。 口の中ではキャラメルのような甘さが拡がり、コショウのスパイシーさ、微かなオイリーさと舌の上の細かい刺激が楽しめます。 飲み込んだ後、喉の奥から香ばしさが現れ、ミントのような爽やかさが口に残ります。 今や瓶詰業社の代表格「シグナトリー社」が企画した「サイレントスティル・シリーズ」 文字通り、閉鎖蒸留所のモルトを厳選したこのシリーズはモルト好きにはたまりません。 ブレンデッドウイスキーを世界で初めて考案した「アンドリュー・アッシャー」。 その彼が手掛ける「アッシャーズ」の格となるモルト原酒として活躍していましたが、 １９８５年に閉鎖。その歴史に幕が下ろされました。 ブレンド用につくられていたモルトのため、シングルモルトとしては殆ど見かける事がありませんが、その美味しさはアッシャーが証明済み。 閉鎖して２２年経過し、なお孤軍奮闘し続けるその勇姿を味わってみてはいかがです。

『アイル・オブ・ジュラ・スーパースティション』［スペイサイドモルト］ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　￥７５０【税込】 香りは甘いパイナップル、蜂蜜、そしてピートの気配が漂って来ます。 口に含むと、ほのかに甘く暖かい味わいに気持ちも和み、後から表れる優しいスモーキーさが心地良さをもたらします。　 そして、ソルトチョコレートの余韻が穏やかな気分にしてくれる事でしょう。 ウイスキー専門誌などでも高い評価を得ているこの「スーパースティション」は、オロロソシェリーカスクの熟成品と若いヘビーピートの原酒をブレンドしており、見事に調和しています。 この蒸留所はアイラ島に隣接する「ジュラ島」唯一の蒸留所。 その島は人口わずか２００人なのに対して野生の鹿が６０００頭も生息するという、別 名「鹿の島」。 奈良公園で鹿に囲まれ、あたふたする観光客を連想してしまうのは私だけでしょうか。

『クーブレイズ・クリアラック　４年（ミッシェルクーブレイ）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ［ヴァッテッドモルト］￥７５０【税込】 香りは全体的に若々しさを感じます。　微かにシェリーの香りがし、アーモンドの入った袋の中や、穀物の袋詰め工場を連想します。 口の中では、とても上品で滑らかな口当たり、水飴のような柔らかい甘さが味わえ、穏やかな心地よい余韻が楽しめます。 実はこれ、スコッチウイスキーでありながら、スコッチウイスキーではないという代物。 このモルトを手掛ける「クーブレイ氏」はフランスワインのネゴシアンでもある為、蒸留した原酒を彼の地元フランスの熟成庫にて熟成させています。　 スコッチには「３年以上スコットランドで熟成」という規定があり、分類上これは何になるのか頭を悩ませます。 ４年熟成でまだ若いのですが、ファーストフィルのシェリー樽を使用している為か、それを感じさせない厚みと深みのある味わいです。

『ワイルドターキー・シェリーシグネチァー』［バーボン］　　　　　　￥８００【税込】 香りはとてもふくよかで、チェリーブランデーやアーモンドチョコレートに満たされ、口に含むと柔らかい口当たり、フルボディな味わい、そしてフルーティな甘味が一体となり、えも言えぬ 喜びを感じます。 飲み終った後はとてもドライで、清涼感さえあります。 このウイスキーも、前出のモルトと同じく「バーボンでありながら、バーボンならず」 通常のバーボンの熟成には新樽を使います。　再利用の樽は一切使用せず、重厚な味わいを出す為に新しいオーク樽で原酒を熟成するのが、伝統であり規定なのです。 ところがこのターキーは新樽で１０年熟成させた後、オロロソシェリーの樽に入れて仕上げの熟成をしています。 スコッチでの最近流行の手法を取り入れた、バーボンとしては新しい試み。　 その「ワイルドターキー」のニューフェースは新しいバーボン時代の幕開けとなるのでしょうか。　 とにかく評判上々の画期的なバーボンです。

『ガリバルディ・アンブラ・スペリオーレ・ドルチェ』 ［甘味果実酒・甘口マルサラ］ 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 （６０ml）￥７５０【税込】 この柔らかい熟成香と甘い香りは、まさしく私の大好きな「砂糖醤油の串だんご」を連想してしまいます。　口の中での軽い甘さと微かな酸味、締めくくりの後を引かない優しい苦味、そして喉元が暖まるアルコール感、この一連の流れ全てに満足が行く逸品です。 イタリアのシチリアで作られるこの酒精強化ワイン「マルサラ」は、ゴッドファーザーの街「パレルモ」から程近い「マルサラ」という小さな街で、２００年以上前から作られています。 歴史的には決して古くはないのですが、イタリア、イギリスでは「メディテーション・ワイン」として親しまれているそうです。　 きっと「ドン・コルレオーネ」もこれを飲みながら談笑していた事でしょう。 日本では料理酒として有名ですが、本場イタリアではディナーやパーティーで活躍しているそうです。 スペイン料理が流行り「シェリー」人気が上昇したのと同じく、イタリア料理が一般 的となった今、「マルサラ」にも光が当てられる日が来るのも近いような気がします。　 とっても美味しいマルサラがたくさん有るのですから。