『ボウモア 15年−ハイスピリッツ』(アイラモルト) ¥1000【税込】
シェリー樽熟成の15年物、優れた逸品です。
味わいは磯の香りから蜂蜜の香りへ時間と共に移行し、口に含むと一気に拡がる甘さが次第に塩辛さに変わっていきます。そして、韓国海苔を食べた時の後味が口の中に残ります。当然の事ながら余韻は素晴しいものがあります。
1994年からサントリーがこの蒸留所のオーナーになっていますが、伝統を重んじる英国人の事、なかなか受け入れ難い感情があるのではないでしょうか。
もしも日本の有名酒蔵をモエヘネシー社が買収したとなれば、確かに私も日本伝統の味が守られていくのだろうかと不安になります。
そこはさすがのサントリー、94年以降は商品のラインナップも増え、モルト好きにはとても楽しい蒸留所になってきたのではないでしょうか。
サントリーさん、がんばって〜!
『クラガンモア 15年−ハイスピリッツ』(スペイサイドモルト) ¥1000【税込】
オレンジの爽やかな甘さ、ブラックペッパーのスパイシーな香り。 口に含むとねっとりとしたクリーミーさが舌を優しく撫で包み込みます。
残り香にピート香が微かに現れ、味わいに奥深さをもたらしているます。
有名なウイスキー評論家−M・ジャクソンは「クラガンモア」のモルトに「マッカラン」に次ぐ、スペイサイド2番目の高得点を付けています。
豊かな香りとコクは「マッカラン」に勝るとも劣りません。
この蒸留所の仕込み水は、クラガンモアの丘から湧き出る良水だそうで、昔からたくさんの密造者達がこの湧き水を使って密造酒を造っていたそうです。
当時もこんな旨いモルトを飲んでいたのでしょうかね。
『エドラダワー・ソーテルヌフィニッシュ 1994』(ハイランドモルト)
¥1100【税込】
上品で繊細な甘さのデザートワイン「ソーテルヌ」 フランス・ボルドーのソーテルヌ地方でつくられる高級貴腐ワインのことですが、
この「エドラダワー」はそのソーテルヌ「シャトー・リュ−セック」の樽で仕上の熟成をさせています。
最初の香りはおしとやかなのですが、徐々にクリーミーな甘い香りが顔を出します。
わずかに加水するとたちまち香りが開き、バターのまったりとした甘い香りがして、
口に含むと蜂蜜を水で薄めた味がします。そして余韻の最後までクリーミーさが持続します。
この蒸留所のある「ピトロッホリー」という町は、夏目漱石がロンドン留学時代に静養に訪れていたそうで、ひょっとすると机に向かった漱石がこのモルトを飲りながら、遠く離れた故国・日本に思いを馳せていたのかもしれませんね。
『ラフロイグ シェリーカスク 15年』(アイラモルト) ¥1550【税込】
ラフロイグ独自の“こだわり”を撃ち破り造られた「超個性的」なラフロイグです。
各蒸留所にはそれぞれ、幾つかのこだわりがあり、それらを守り続ける事によって蒸留所の味の個性を形作っています。
ラフロイグのこだわりの1つが、ジャックダニエル等を熟成させたテネシー産のバーボン樽による熟成です。.
しかし、瓶詰め業者「シグナトリー社」が蒸留所の意向に背き、シェリー樽で15年間熟成させてしまいました。
さて味わいはと言うと、「海辺に建つ材木倉庫」に立ち入った時の香りがします。
香りからは甘さを強く感じませんが、口に含むとオイリーでフルーティーな甘さが口に拡がります。ヨード香は強くないが、とてつもなく長い余韻と共に徐々にスモーキーさが湧き出てきます。
ラフロイグでありながら、ラフロイグにあらず。 こだわりを逆手にとった、このチャレンジ精神(反骨精神?)に私は拍手を送ります。
『ヴァージニア ジェントルマン』(バーボン) ¥650【税込】
禁酒法廃止から2年後、ヴァージニア州で1つの蒸留所が産声を上げました。
密造酒時代の使い古しかと思われる程クラシカルな蒸留器を使い、独自の原料比率と製法で個性的なバーボンをつくり始めました。
それから70年、現在も当時と同じ蒸留器と製法レシピで、頑に伝統の味を守り少量
生産を続けています。
ドッシリと重く、しっかりとしたボディ、ライ麦の香りが強く、甘味とのバランスがとても良い飽きのこない味わいです。
飲みやすいバーボンが増えた昨今、こういった骨太のバーボンを欲してるのは私だけではないはずです。
昨年の世界スピリッツコンペティションにて金賞を受賞、専門誌の評価でも最高の4つ星を獲得しています
『バルデスピノ アモンティリャード コントラバンディスタ』(辛口シェリー)定番化
¥750【税込】
“コントラバンディスタ=密売人”という名前のついた熟成シェリーの銘品です。
ラベルに描かれてる「馬上から手招きする男と、それを遠くから見つめる女」のイラストと「密売人」という名前からかなり怪しさが伝わり、ラベル買いをしてしまいました。
買って正解!
その味わいはというと・・・ ナッツや干しぶどうの香り、爽やかな甘味とそれを引き締める酸味は最高のバランスを保ち、とても濃厚な味わいがします。そして後味の微かな苦味が、口の中で奏でられていたハーモニーの終演を綺麗にまとめています。
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