『グレンリベット　１９６８・カスクストレングス・３８年（Ｄテイラー）』 　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　　［スペイサイドモルト］　￥１９５０【税込】 そよ風のような優しい香りには、グレープフルーツ、レモンジュレ、そして微かに白檀を感じます。　 口の中では、ふんわりとマシュマロのような口当たり、アルコールの刺激は殆どなく、熟成の長さを感じずにはおれません。　 あっさりとした甘さと微かなスモーキーさ、そして最後に心地よい苦味で締めくくられます。 ３８年もの長い時間を経て、すべてを容認できる程の「悟り」を開いてしまったかのような優しい味わいです。 言わずと知れた名酒「グレンリベット」。　 政府公認第１号蒸留所というだけでなく、歴史的にも実力的にも世界に名を轟かせている本格派です。 「静かなる谷」という名を持つこの蒸留所は、スペイ川に流れ込むリベット川の谷にあり、この谷は密造酒造りの巣窟として以前は有名でした。　 このグレンリベットも密造酒からスタート、その当時から名を馳せ、時の国王ジョージ４世ですら愛飲していたそうです。

『ブレイズ　オブ　グレンリベット　１９７５・カスクストレングス ２９年（Ｇ＆Ｍ）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［スペイサイドモルト］　￥１６５０【税込】 想わず微笑んでしまう程の甘い香り（オレンジ、アプリコット、梅酒、蜂蜜）はウイスキーであることを忘れさせます。　 そして後から現れる微かな麦芽香を感じる事により、これがウイスキーなんだとやっと認識できるでしょう。 口の中で、とてもソフトなこの液体は、甘さと共に花のような芳醇さを感じ、コクを残しつつドライへと変わっていきます。 「グレンリベット」の弟分として、リベット川の上流の地に創設。　 主にブレンド用モルトを産出していましたが、現在は一時操業を停止しており、今後の予定は立っていないそうです。　 蒸留所のメッカであったこの地に現存する蒸留所は３軒、そのうち２軒は休眠中なので、「グレンリベット」が唯一操業となってしまいました。 ブレンド用モルトの為、シングルで発売されるのはとても珍しいのですが、なかなかどうして兄貴分の「グレンリベット」にも決して負けていません。　 早くに操業を再開して欲しいモルトの１つです。 ちなみに、１９９５年に改名し、現在は「ブレイヴァル」と名のっています。

『ラフロイグ　１９９６・カスクストレングス・１０年（インプレッシブ）』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［アイラモルト］￥１０００【税込】 突然、湿ったピートの香りがグラスから溢れ出し、爽やかな甘い香の中には薬品臭を感じます。　 口の中ではピートと共にスモーキーさが満載し、それらに包まった程よい甘さがとても心地良く、喉を過ぎた後もしばらくは鼻からヨード香が抜けません。 ウイスクイー社のオリジナルであるこの「インプレッシブ・カスク」シリーズは名前通 り「印象的で感動を与えるウイスキー」をテーマにしているだけあり、先月のグレーンウイスキー共々、私の心を強く揺さぶってくれました。 アイラモルトの特徴をよく表している「ラフロイグ」　そのラフロイグの特徴が傑出しているこのシングルカスク。　見逃す術はありません！

『ポールジロー・オードヴィ−・ド・ヴァン・２００６』 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　［未熟成ブランデー］　￥６５０【税込】 今や、日本のグルメ達に絶大な人気の“手作りコニャック”『ポールジロー』 様々なコニャックは勿論の事、最近はブランデーになる前のブドウジュースを販売するなど、ポールジロー愛好家の喉は鳴り止みません。 そして今年、もうひと鳴り喉にして頂こうと造り出されたのが、この「コニャックになる前のニュースピリッツ」です。 これは要するに、樽で熟成させる前のブランデー。　 蒸留器から出てきたばかりで生まれ立て、まだコニャックという名前すら付いていないブランデーです。 通常は蒸留シーズンの蒸留所で、造り手のポールジロー氏とその他数人しか飲むことが出来なかった原酒がはるばる日本まで、喉をならす為にやってきました。 ポールジロー氏から皆様へのメッセージをご紹介致します。 「今年のオードヴィーには自身があります。（中略）　出来上がったオードヴィ−はバランスがとれ、花の香りを持つエレガントな仕上がりでした。　 同時に長期の熟成にたえうる素晴らしいボディを持ち合わせ、品質の高さがうかがえます。　 とはいえ、私たちがその正体を確かめられるのは、何年も後になりますが・・・。」

『ロシュフォール　８』　［ベルギー・修道院ビール］　　　　　　　￥１０５０【税込】 大きな聖杯型のグラスに注がれた、濃いブラウン色の液体とこんもりとした泡。 このビール、まずは目に美味しさを訴えかけてきます。 香りからイチジクやプラム、洋梨などのフルーティーさとコーヒーの香ばしさが出現。　 口の中では、程よい甘さとたっぷりな旨味が味わえ、徐々にドライに変わっていきます。 飲みごたえがあり、後からアルコールの酔いと共に満足感に満たされます。 ベルギーのフランス寄り、ナミュール州の曲りくねった山道を登りやっと辿り着く町「ロシュフォール」 そこからさらに２〜３キロ山奥の人里離れた場所に「ノートルダム・サンレミ修道院」があります。　 ひっそりとたたずむこの小さな修道院でパンやチーズと共に、ビールがつくられています。 １５９５年からの長い歴史があるにも関わらず、地理的に世俗から隔離されている為か、近年までこのビールはあまり知られておらず、ロシュフォールの町ですら飲むことが出来なかったそうです。　 しかし今やビール好きの間では大変評判が良く、広く親しまれています。